『外科医エリーゼ』は無料漫画アプリ「ピッコマ」で連載中のオリジナル作品です。もともとは韓国のWEB漫画サイト「kakaopage」で連載されていた漫画です。ピッコマの作品情報では出版社名としてkakaopageが登録されています。
kakaopageは無料トークアプリ「カカオトーク」も運営する韓国企業カカオの漫画サイト。その日本法人カカオジャパンがピッコマを運営しています。kakaopageの日本版がピッコマという認識で概ね良さそうです。
漫画を日本に持ち込む際に、登場人物の名前などは日本的なものにローカライズされています。


目次
『外科医エリーゼ』あらすじ
史上最年少で東京医大教授になった高本葵。著名な外科医として名を馳せる彼女には前世の記憶がある。数百年前のヨーロッパに似た異世界で葵はエリーゼと名乗り、皇后の立場にあったのだ。
人形のように愛らしい容姿と腐ったドブ川のような性格を併せ持ったエリーゼは、皇后の権力を利用して悪逆を尽くし、最後は国中の恨みを買って処刑されてしまう。

前世の記憶を持ったまま現代に転生した葵は、今度の人生では人々を救う存在になろうと外科医を志し、多くの人間を天才的な手術の腕で助けてきた。
そんな葵を乗せた飛行機が原因不明のトラブルに巻き込まれる。

大騒ぎする乗客たち。葵は「こんなところで緊急脱出しても助かるはずない」と絶望に襲われる。

葵を乗せた飛行機は墜落し、彼女は気を失ってしまう。そして、次ぎに目覚めたとき葵は少女時代のエリーゼに戻っていた。取り返しのつかない失敗をし、第二の人生で心を入れ替えたエリーゼは、同じ失敗を繰り返さず幸せな人生を歩むため現代で学んだ医療の知識を活かし、大勢の人間を救おうとする。

わがまま娘が急にしおらしくなったことを不審に思われたり、年齢不相応に高度な医療知識と執刀技術を訝しまれたり、医療改革をしようにも政治的な実権がないため門前払い、たらい回しをくらったりしながら少しずつ国を良くしていこうとする。
その一方で前世は幸せな結婚生活と言えなかった皇太子との婚約破棄を目指すも、人生三度目のエリーゼが見せる落ち着きと気品に皇太子がマジ惚れしてしまうロマンスもある。
『外科医エリーゼ』を日本語で読むなら「ピッコマ」
『外科医エリーゼ』はkakaopage連載作品を日本語訳して輸入しているため、同じ系列の「ピッコマ」が日本の正規窓口っぽい扱いになります。
単行本化の予定もなさそうなので読みたい人は「ピッコマ」へGO!
2019年6月19日5:52追記
単行本が出ます!
kakaojapan作品だけではなく、日本の漫画やライトノベルも「待てば無料」で読めます。「待てば無料」と言いつつ、最終回手前の何話かはチケット買わないと解放されない点だけ注意ですかね。
『外科医エリーゼ』を読んだ感想
韓国産異世界転生漫画『外科医エリーゼ』は、現在「ピッコマ」で58話まで公開されています。本家kakaopageでは80話以上公開されており、すでにストーリーは第3部が始まっています。
韓国語が分かる人ならkakaopageで読んでもいいかもしれませんね。私は日本語訳されるのをピッコマ片手に待ちます。
『外科医エリーゼ』の原作は小説家になろうじゃないよ
『外科医エリーゼ』をGoogle検索すると、サジェストワードに「外科医エリーゼ 小説家になろう」が出てきます。異世界転生もの=なろう系のイメージが読者に擦り込まれているためでしょう。しかし、韓国のkakaopageで先行掲載されてることからも分かるとおり、『外科医エリーゼ』の原作は韓国のyuinさんが書いています。
kakaopageやピッコマを使ったことがない人は、韓国にも異世界転生ものってあるのと驚かれるかも知れませんが、kakaopageで人気になってピッコマに輸入されてきた作品だけでも結構ありますね。
kakaopageやピッコマの読者層的なものなのかは知りませんが、男が転生するより女が転生する話のほうが多いですね。ジャンルとしては悪役令嬢転生ものかな? 前世で読んだロマンス小説の悪役令嬢や端役に転生して悲劇を回避する話が多いように感じます。
ここで乙女ゲームが出てこないのは日韓のゲーム史的な違いでしょうか。
作画を担当するminiさんはインスタやってます。
エリーゼの真っ直ぐさが読んでいて気持ちいい
エリーゼとしての一度目の人生(以下、エリーゼⅠ)では、大貴族の娘であることを鼻に掛け、最後は取り返しのつかない大失態を演じて処刑されてしまいましたが、その過ちを悔い改めた二度目のエリーゼ(以下、エリーゼⅡ)は人々のために生きることを誓います。
「善い子過ぎる主人公」が善い子であることの理由が明確です。エリーゼⅡ以外も登場人物で根っからの悪人は出てきません。医療知識が現代に比べ大幅に遅れてる設定のため無理解に阻まれることはありますが、性格が悪くて邪魔をしてくる人物はいないですね。
50話あたりから戦争編に突入するため、ひょっとしたら敵国に悪人がいるかもしれない……かな?
『外科医エリーゼ』と合わせて読みたい漫画
『捨てられた皇妃』(漫画) iNA (原作) Yuna
(2021/02/25 22:59:18時点 Amazon調べ-詳細)
これもkakaopageからやって来た漫画です。幼いころより皇后(正妻)になるため育てられてきたアリスティアだったが、異世界からやって来た少女・美優の出現により状況は一変する。
アリスティアは皇后から皇妃に格下げされ、夫である皇帝には疎まれ、最後は反逆者の汚名とともに断頭台の露と消えた。……はずだったのに目覚めると9歳に戻っていた!
再びの悲劇を回避するためアリスティアは第二の人生で奔走する。
『今回の人生はメイドらしい』(漫画)オミクニ (原作)雨宮茉莉
(2021/02/26 05:04:47時点 Amazon調べ-詳細)
傲慢な侯爵令嬢アリーシアは多くの罪を犯し、ついにひとりの神官を破滅へ追いやった。その罰で死しても天国に迎え入れられず何度も転生を繰り返すことになる。時には人間だけでなく虫や動物にも転生するアリーシア。決まって悲惨な最期を遂げることだけが共通点だった。
ウン十回目の転生で貧しい農家の娘エマに生まれ変わったアリーシアは、善行を積むため親元を離れてお城のスカラリーメイドとして働き始める。これまでの転生人生で善いことをすると次の人生が少しだけマシなものになることを学んでいたのだ。いつか神様に許してもらえる日まで善行を積み続けるのが、いまのアリーシアの目標だった。
日本という国に転生したときの記憶を活かして様々な発明品を作るアリーシア。いつしか彼女の存在は噂になっていき……。
まだ漫画版は単行本が出てないみたいですね。
まとめ
というわけで今回はピッコマの『外科医エリーゼ』を紹介してきました。韓国の漫画って読んだことない人も多いと思うんですけど、実は日本より韓国のほうが商業ベースのWEB漫画普及は早くて、縦スクロール漫画での成功ノウハウみたいなものは蓄積されてますね。
絵やカラー原稿の塗りは日本人の感覚からすると少し硬く感じる作品が多いかも。
『殺人漫画』という韓国のホラー映画があるんですけど、この作品はWEB漫画サイトの編集長が自社の掲載作品と同じ殺され方をしたことに始まり、その後も漫画家が描いたとおり次々に人が亡くなっていく設定です。
映画のできは普通ですが、韓国におけるWEB漫画家の社会的な地位や、一財産築いてる様子が垣間見えるのは面白いですよ。