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「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」の正しい使い方とは?元ネタは『月刊少女野崎くん』

インターネットでよく使われる言葉の元ネタシリーズということで、今回は「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」を解説していきたいと思います。

「脚本の人そこまで~」の元ネタは漫画『月刊少女野崎くん』です。より詳しい出典は単行本6巻で佐倉千代が言ったセリフ。

最近ではアニメ『けものフレンズ』1期の作品考察を巡り、やたら深い物語を読み取る人たちに「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」とよく使われました。

「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」をGoogleで検索すると、サジェストに『けものフレンズ』が登場します。それだけ両者はセットで使われたということでしょう。

『けものフレンズ2』炎上で再び「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」

『けものフレンズ』は2期が先日最終回を迎えたものの、監督交代によるゴタゴタや1期の物語を否定するかのようなストーリーもあり、放送直後は炎上とも言える燃え上がり方をしました。

群集心理や「安全にツッコミ側に回れるなら対象は何でもいい」人たちも混じり、実際異常に延焼してしまった印象を受けます。

はてなブックマークでは『けものフレンズ2』の感想を書いたブログが注目され多くのブックマークを集めましたが、考察内容に「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」とツッコミを入れるブコメが人気を集めてます。

ネットでは深読みし過ぎな考察へのツッコミとして使われてきた佐倉千代のセリフ。その利用例を今回も踏襲していますが、『月刊少女野崎くん』作中での使われ方は違っていて、むしろ千代の考えの足りなさ、そこまでプロは考えて作品を作ってることを示す前振りが「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」です。

「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」の正しい使い方(野崎くん実例つき)

ネットで使われているようなファンによる作品の深読み、考察を揶揄する「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」は、『月刊少女野崎くん』本来の使い方ではないと書きました。それでは実際に作品を読みながら場面を解説していきましょう。

野崎が書いた脚本を前に悩む鹿島遊。彼女は「自分が読み解けてない複雑な感情表現を求められている気がする」と頭を抱えますが、千代はあっさりと言い放ちます。

「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」

脚本の人そこまで考えてないと思うよ

このドライさ加減。千代は野崎の性格を直接知ってるからってのもあるんでしょうね。

千代じゃ役に立たないため野崎にアドバイスを求めるふたり。鹿島は脚本を書いたのが野崎とは知りませんが、千代の小並感な感想とは違い、自分が欲しかった解釈をくれる野崎とガッシリ握手。まあ作者本人ですしね。

脚本の人そこまで考えてないと思うよ

一連の流れを通して作者はセリフのひとつ一つにまで神経を尖らせ、演出上の意図を込めてるものなんだよというオチがついてます。










本来の意味や前後の文脈を無視してミーム化する漫画

本来は脚本の意図を汲み取れない人へのブーメランだった「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」が、その1コマだけを抜き出し伝言ゲームのように繰り返し使われていく過程でもともとの意味を見失い、考察班を揶揄する真逆の言葉へと変貌していったのが面白いですね。

インターネットではアニメや漫画の印象的なセリフが前後の文脈なく切り出され、それ単体でミーム化することがあります。

『ジョジョの奇妙な冒険』がアニメ化されたとき、原作を知らない若い視聴者が「このジョジョってやつ、ネットで使われてるネタ多すぎ」と言ったとか言わないとか。もちろん実際は『ジョジョ』がネットの影響を受けてるわけではなく、ネット民が『ジョジョ』の影響を受けてるんです。

『ジョジョ』を飛び出してリアルでも使われているセリフに「だが断る」があります。

このセリフも単に何らかの誘いを断る目的で使われていますが、本来は絶体絶命の窮地に立たされた岸辺露伴が、仲間の東方仗助を差し出せばお前は助けてやると言われ「だが断る」と返したことに由来します。

「この岸辺露伴が最も好きなことのひとつは、自分で強いと思っているやつに『NO』と断ってやることだ…」

自分に有利な取引を持ちかけられた状態でも、自分らしさを貫き通すために断る。それが本来の「だが断る」です。

言葉は使われていくうちに変容していくものですが、元ネタを知ってると「それ本当はね」と話の種になりますね。

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