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地獄の沙汰もお役所仕事?漫画『死役所』の感想や無料で読む方法を紹介

死役所

今回の漫画レビューは『死役所(作者:あずみきし)』です。

様々な理由で亡くなった人間たち。あの世で彼らが最初に行き着くのは不思議なお役所。死者は死亡理由によって担当の課に振り分けられ、成仏に必要な書類を作成していきます。その過程で浮き彫りになってくる生前の姿と人生。

生と死が交錯する怪しくも日常的な役所で彼らを迎えるのは、総合案内のシ村を名乗る男性。

死役所

ピッチリとした七三眼鏡に喪服を連想させる黒いスーツ。顔には感情を覆い隠す役人スマイル浮かべながら「お客様は仏様ですから」が口癖。

彼と関わることによって死者たちの感情が揺さぶられ、そのうねりに読者も巻き込まれていきます。

『死役所』あらすじ

自殺した少年とシ村

第1話『自殺ですね?』でシ村のもとにやって来たのは、屋上から飛び降り自殺した少年・鹿野太一。マンションから飛び降りたはずなのに気づくと知らない場所にいました。

呆然とする太一をシ村は自殺課へ案内します。

死役所

彼が太一に差し出したのは“自殺申請書”と書かれた書類。自殺した人間は自殺した場所、自殺の方法、自殺の理由など事細かに申請する必要があったのです。

自殺理由に「いじめ」とだけ書いた太一に、シ村は「それだけだと受理されない可能性がある」と詳細を要求しますが、屈辱的な記憶を呼び覚ますことは太一にとって耐え難い苦痛でした。

死役所

いじめ被害者の自殺は加害者に何の影響も与えない?

自殺にあたって遺書を遺してこなかったことに少し驚くシ村。太一は「日記なら遺してきた」と言いますが、シ村は両親が日記を処分して人目につかなくするかもしれないと返します。

母親の再婚相手である現在の父親と太一の関係はギクシャクしており、いじめと共に自殺の理由に家庭内不和を挙げたことで、両親が世間体のために封殺するかもしれないと言うのです。

日記が世に出ないと、いじめを苦に自殺したことが世間に伝わらない。そうしないと自分をいじめてた人間は何のお咎めもなく、のうのうと残りの人生を楽しんでしまう。

焦った太一は「それでも、いじめてた本人は自分のせいだって気づきますよね」と同意を求めますが、シ村の返答は「いじめっていうのはですね、やった方は自覚がないものなんですよぉ」というシビアなもの。

死役所

いじめ被害者の話はメディアやインターネットで頻繁に出てくるけど、私いじめてましたという加害者はめったに登場しません。大っぴらに言えることじゃないのもあるんでしょうが、いじめた人間は「大したことない。ちょっとした悪ふざけだった」くらいにしか思ってないからでしょうね。

自分は命を捨てて文字どおり決死の覚悟だったのに、その死はいじめ加害者の人生に波ひとつ立てることができない。

太一はショックを受け、席を立ち、フラフラと歩いて行ってしまいます。そして死役所の階段に腰掛けながら考えごとをしていたとき、太一の前に見覚えのある人間が登場します。

死役所

いじめグループの主犯格だった牛尾です。

死んで初めて両親の愛を知る

急に殴りかかってくる牛尾。彼が持っていたのは“他殺による志望認可書”と書かれた書類。何者かが牛尾を殺した、誰が、牛尾の口から出た名前は太一の継父でした。

太一の両親は4歳のころに離婚。後に社会的身分の高い継父と母親は再婚しましたが、太一は家族のなかで自分はいらない子だと感じ、子供に無関心な両親は自分が死んでも心を痛めないだろうと腐っていました。

ところが、継父は太一の日記を見て自殺の真相を知ったのでしょう、自分が殺人犯になることも構わず牛尾に復讐したのです。日記を封印して世間体を守るどころの話じゃありません。

そこまで自分の自殺に本気で怒ってくれるとは意外だった太一。驚きで言葉が出ません。

来世では継父と本当の親子に

険悪な太一と牛尾に割って入ったのはシ村です。申請の手続きが済んでない太一をシ村はカウンターに連れ戻り、今度こそ太一は成仏に必要な書類を書き上げます。

最後の最後に継父から愛されていたことを知った太一は、シ村に「もしお義父さんが来たら伝えて欲しい」とメッセージを託し、生まれ変わりの可能性に賭けながら成仏しました。

死役所

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『死役所』は「コミックバンチ」と「コミックバンチWEB」で連載中。コミックバンチWEBでは1話から3話までと最新の3話が無料で読めます。

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『死役所』を読んだ感想

 死者が心の整理をつける不思議な場所

太一は自殺でしたが多くの場合、人間いつ死ぬかは分からないもので、そのときは唐突にやって来ます。医者からもう長くないと宣告でもされていれば多少の心構えはできますが、そうじゃない、まったく唐突な死もあります。

命にかえても」に登場した上杉涼子は、露頭に迷っていたところを町工場の社長に拾われ働き始めますが、ある日の作業中に落ちてきた鉄板から社長を守って身代わりに死んでしまいます。

とある事情から前科があり、どこに行っても雇ってもらえなかった自分を拾い、人並みの生活を与えてくれたと社長に感謝する涼子でしたが、それでも自分より老い先短い人間を助けて死ぬなんてと後悔もありました。

死役所

社長には感謝してるしいい人だと思うけど、それと死んでしまったことは別の話で気持ちはグチャグチャ、こんな状態で「他人のために身を挺して死にました」と“挺身申請書”を書く気にはなれません。

泣き出してしまった涼子を無理には説得せず、シ村は自分が見てきた死者たちの話をします。その話を聞いているうちに涼子の心も解れ、申請書を書いてもいいかという気持ちになってくるのです。

唐突な死で混乱する人間が一息つき、成仏を受け入れるための中継地点であり休憩地点でもあるのが、死役所なのかもしれませんね。



死刑囚だった死役所職員の生前エピソードも必見

死役所ではシ村のほかにも個性的な職員が働いています。「あしたのわたし」では、スキンヘッドのイシ間さんが登場します。

他殺課を受け持つイシ間さんは子供がやって来ることを嫌います。イシ間さんじゃなくとも、他殺課なんて子供の来るところじゃないと言いたくなりますね。

しかしながら、不幸なことにイシ間さんの他殺課に女の子がやって来てしまいます。母親から虐待を受けていた少女は、お漏らししたと冬のベランダに締め出され凍死してしまいました。

死役所

今際の際に思い出すのは優しかったころの母親の姿。虐待を受けた子供のうち少なくない子が、暴力を振るわれるのは自分が悪い子だからだ、もっといい子にしてれば褒めてもらえるはずだと親の愛を求めてるといいます。

少女も母親の愛を請い願いながら亡くなりました。

死役所に来ても母親に殺された自覚がない少女は、生まれ変わって母親に会うため成仏します。

その後ろ姿に「あれが愛なのかね」とこぼすイシ間さん、冷静に「ただの洗脳でしょう」と返すシ村。

死役所

虐待された子供が親を庇おうとするのはストックホルム症候群の一種だと言われてますし、シ村の「洗脳」という言葉は親子の関係を鋭く突いてますね。

イシ間が気になるのは逮捕された少女の母親が死役所職員になること。もし職員として再会したら自分が母親を殺してしまいそうだと憤るイシ間ですが、その可能性は限りなく低いとシ村は見ているようです。

なぜなら、死役所職員には死刑になった人間しかなれないから。

死役所

ということは、シ村やイシ間も生前は死刑囚だった? いったいなぜ?

職員たちの過去は物語が進むとしだいに語られますが、そこにもドラマや謎が散りばめられています。

シ村が最も忙しいとされる総合案内を買って出る理由は? なぜ死刑になった? シ村の死刑は冤罪だった?

気になりますか? 読んでみてください。

死役所の雰囲気は作者の実体験が生かされている

この世ではない場所にありながら、妙な現実感を持つ死役所という場所ですが、この雰囲気は作者の実体験からきているようです。

受賞をきっかけに上京もした。担当編集者がつき、週刊誌連載を抱える漫画家のアシスタントをこなしながら原稿を描き続けた。だが、どれもボツにされる日々が続いた。編集者ともそりが合わず、耐えきれず1年後に大分に戻ったことが一つの転機になった。

「挫折して帰ってきて、漫画家になる夢はしぼみかけた。でも、とにかく描くしかないという気持ちだった」。それまでは特定の出版社の雑誌ばかりを狙っていたが、こだわりを捨て投稿するようになった。同時に生活のため、別府市役所に臨時職員として勤務。この経験が後の作品づくりにつながった。

大分)役所勤務ヒントの漫画「死役所」 作者は別府在住:朝日新聞デジタル

公園緑地課の臨時職員として働きながら驚いたのは、何をするにも役所では書類がいることだったのだとか。そこから「自殺にも申請書が必要だったらイヤだな」とアイデアの種が生まれ、新潮社の編集にアドバイスをもらいながら現在の形に仕上げていったのだといいます。

人生で経験したことすべてが作品作りの基になりますね。

『死役所』と一緒に読みたい漫画

『死人の声をきくがよい』 ひよどり祥子

死んだ人間の幽霊を見ることができる岸田純は、幼馴染みだった少女・早川涼子の霊にまとわりつかれるようになり、彼女の案内で涼子の遺体を発見する。

その後も涼子の霊は成仏せず、純と涼子は霊たちが起こす不思議な現象に遭遇し、間一髪で逃れることを繰り返していく。

影の濃い雰囲気がある絵で静かに進行していたと思ったら、一気に感情が爆発するようなシーンもあり、涼子が成仏せず純の傍にいる理由も気になって怖いけどやめられない状態で読みました。

『ミスミソウ』押切蓮介

閉鎖的な田舎町に越してきた少女・春花は同級生たちから執拗ないじめを受けたが、家族を心配させまいと黙って耐え忍んでいた。中学卒業まで残り2ヶ月。この期間さえ我慢すれば……。

だが、同級生たちは登校拒否という手段に出た春花に激高し、彼女の家に乗り込んで火を放ってしまう。火事で焼け死んだ両親、瀕死の重傷を負った妹。火事の真相を隠蔽するべく春花に自殺を迫る同級生たち。

怒りの導火線が我慢の限界に達したとき、春花は鬼の復讐者と化し、次々に同級生たちを葬っていく。

山中に積もった白い雪を鮮血で染めながらノンストップで駆け抜ける、春花の怒りのデス・ロード。

その先に待っていた結末は儚くも切なく胸を打つ。

まとめ

今回は『死役所』についていっぱい書いてきましたね。画面の見過ぎで目が痛くなってきました。

あの世とこの世の間に位置する役所に似た不思議な場所を舞台にした漫画で、登場人物それぞれが気になるバックボーンを持っており、死役所を訪れる人たちだけでなく職員の人生も気になりますね。

『死役所』はKindleなど電子書籍化もされてますから、「マンガBANG!」のメダルが貯まるの待ちきれない人は電書で一気読みもありかもしれません。

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